Blog

校正のイロハ

Penseur

2015.06.27

しおにゃん

校正について、あれこれ思うこと。

校正

 

今回は編集部の人っぽく校正の話でも。

当社でも重要な案件などは制作者だけでなく、編集部でも校正をすることがあります。ただ、一口に

「校正」といっても何をすることが校正なのか、明確にいえる人はあまりいないと思います。

実際、私もその口かもしれません。出版社で雑誌や書籍をつくる際、自部署の発行物に対して校正という

業務が発生していたので、嫌がおうにもスキルが磨かれました。年間数十冊、総ページ1万ページくらいは

通して見てきたと思います。

 

一般的に多くの認識は文字校正のことを校正ということが多いようです。その際、元資料がありそれと照らし

合わせる「引き合わせ」と、ただ文章として読み設問に対して、もしくは校正者の基準において読み進めながら

チェックをする「素読み」に大きく分かれます。

前者は資料があるため、それ通りになっているかという観点で見ていくだけなので基準が明確で、どちらかと

いうと作業を進めやすいと思う人が多いと思います。後者は名前が「素読み」と、一見「素うどん」のような軽い

感じなので勘違いされがちですが、こちらのほうが難易度が高いです。

こちらは基準になるものがないため、校正者のスキルが問われます。また、どの範囲まで見るのか、という範囲が

膨大なため見る前の指示も重要です。

たとえば、事実確認をするかしないか。これだけでも大きく異なります。電話番号や住所、地図に表記されている

名称や出口の表記、掲載されている商品情報や名前、人物のプロフィール、沿革や歴史など、あらゆるものを

確認しだすとキリがないため、そのあたりの擦り合わせも校正コストとして考える必要があるでしょう。

 

豆知識というほどではないですが、意外に見落としがちであったり、気づきにくいのが「当て字」や「慣習」による

言い回しや単語などです。昔、若手の頃に先輩にいわれて初めて気づいたのが「ていじろ」でした。

当時所属していた編集部全員で校了前に全員で校正していた際、「そこの2行目、ていじろになってるか確認

しといて」と言われ、最初は意味がわかりませんでした。校正を読み進めるとそこには「T字路」という文字が。

そのとき思ったのは「この人、東北出身だからてぃーじろをなまっていってるんだ」でした。

 

しばらくしてその先輩が気づいたのか、「だからていじろにって…」といいながら、メモに「丁字路」と書いて

くれ、「T字路なんて日本語ないから。あれは当て字。表記は丁字路にしといて」と言われました。

そのときはあまりのカルチャーショックに、言葉も出ませんでした。それからはいろいろ勉強をして、なんとか

ある程度校正っぽいことができるようになりました。プロの校正者の方にはほど遠いかもしれませんが。

 

まだまだこれから勉強していこうと思います。