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『家は路上に放置されている』

Penseur

2015.04.09

松子

前回のブログでも触れていた、宣伝会議賞のグランプリが決定しました。

 

●ゆうちょ銀行 /「こつこつ貯金することが、カッコイイ」と思えるアイデア

→『人生の半分は無職です』


平均寿命の80年間生きるとして、
20歳で就職、60歳で退職。
・・・ほんとだ!

毎日に追われていると、どちらかといえば自分は永遠に仕事をしているような認識がありました。
人をはっとさせるコピーには、こういった発想の転換が必要ですね。
キャッチコピー関連のニュースといえば、近頃、こんなものも出回っていました。

『ステキな家具に囲まれてると、親子ゲンカはしにくい。』
大塚家具


うん、これも発想の転換。
せっかく高まった話題性なんだから、少しでもプラスにしたいもんですよね。

 

 

そして、私がこれまでで最もびっくりしたコピーが、表題のこちら。

 

『家は路上に放置されている』


(セコム)

 

セコムには、『セコムしてますか?』という“超”有名なコピーがありますが、あくまで企業認知度を上げるためのもの。
商品の必要性に気づかせるという別アプローチのキャッチコピーとして、有名な一文です。
普段、わたしたちは家をフィールドのひとつとして認識しているかと思います。
ではなく、オブジェクトとしてとらえた目線の飛躍に、思わずはっとさせられます。
そうか、確かにそう見たら不安だわ。だからセコムなんだね。
たった12文字が、潜在顧客を掘り起こしていくストーリーが見えてきます。

 

キャッチコピーを考えるときに必要なのは、「ホップ(現状分析)」「ステップ(何を言うか)」「ジャンプ(どう言うか)」です。
もちろん他の2つも不可欠なのですが、この「ジャンプ」が秀でていない限り、人を驚かせるコピーをつくるのは難しいのではないでしょうか。
自分自身の課題として、どうしても発想という部分で偏りがちなところがあります。
目線が固まると、そこから動ける範囲も限定されてしまいます。
いいコピーやデザインをたくさん見る、そして知識や経験豊かなパンスールスタッフと、もっと活発に意見の交換をする、などなど・・・
目線を増やして、引き出しを増やして、発想を広げて。
もっと問題解決に直結できるクリエイティブができるよう、これからも精進していきたいと思います。

 

 

p.s.: 一緒にコピーを学んでいた友達が、宣伝会議賞ファイナリストに選ばれていました。次こそは自分も…!