今さらながら、校正は奥が深い
Penseur
2015.10.23
前回に引き続き、またもや今回も校正のお話。
自部署が編集部のため、冊子や雑誌といった複数ページで構成される
制作物を多く手がけます。掲載される原稿ですが、これには2通りあり、
支給された原稿を元にレイアウトを組んでいく場合と、編集作業込みで
社内で原稿を執筆する場合があります。
後者の方は原稿執筆の際に、部署内で定めているルール通りの漢字仮名交じり文に
対しての、漢字とひらがなの使い方に沿った原稿を自分で書き、前者の場合は支給された
原稿に対して校正を展開していきます。
これらをいざ校正するとき、誤字脱字などを校正することは当たり前なのですが、
その次に必要な作業として「表記統一」というものがあります。たとえば、5ページには
「致します」と書いてあるのに8ページをめくると「いたします」と書いてある場合。
こういう場合、そのコンテンツ内でどちらを正解とし、どちらに合わせていくのかが表記
統一です。「致す」の場合は漢字のほうが多用しますしそちらに合わせることが多いと
思われます。ただこれも、媒体の雰囲気や内容によって、どちらかにする場合もあります。
次に、間違っていたり当て字であったりする誤用部分を直した場合の表記統一もあります。
傾向的に多い例を挙げると、このような感じです。
×活かす 〇生かす
×して頂く 〇していただく
×やめて欲しい 〇やめてほしい
など、漢字のようなひらがなのような、という紛らわしい言葉や当て字を整理し、全体を
通して同じ表記に合わせていきます。読み物としていかに美しくわかりやすく、引っか
からずに読めるかという状態に近づいていくことに喜びを感じて、日々文字を見つめて
います。
そして間違いを見つけて、さらさらと赤字を入れる…。うーん、気持ちいい。
いけずな性格なのかそれともトレジャーハンター的精神なのかはわかりませんが、
誰にもわからないであろう喜びがあります。
ちなみに、赤字を入れて戻した後、なぜ直したのかという理由がわかるよう、オリジナルの
印章をつくってしまいました。これが押印されていたら、「統一してるのねー」と思って
ください。(社内連絡)