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『亭主元気で留守がいい。』

Penseur

2015.07.27

松子

夏まっさかり。
だけど今年はまだ蚊の姿を見ていません。

↓コレのおかげでしょうか…?
「キンチョー 蚊がいなくなるスプレー」

キンチョー製品の生みの親・大日本除虫菊株式会社が、世界初の棒状蚊取り線香を発明・発売したのが1890年。
それからなんと130年近くの時を経て完成したのが、全く新しい発想のこちらの商品でした。
飛行時間より壁にとまっている時間の方が長いことを発見したキンチョー。
なにより、それだけ長い時間、“蚊の駆除”というひとつのことに試行錯誤をされていることに深い尊敬の念を抱きます。

 

さて、その大日本除虫菊株式会社が誇る有名なキャッチコピーがこちら。

「亭主元気で留守がいい。」


このコピーが発表されたのは1986年のこと。
当時の奥様は、自宅にいるのが普通だったんだなぁ、と時代を感じます。
もはや慣用句。
このコピーを使ったCMは、斬新さとエッジの効いた皮肉が話題となり、歴史に残るヒットCMとして未だに脳裏に焼き付いている人も多いとか。
それから28年後、話題をさらった新聞広告がコレ↓。
http://www.kincho.co.jp/cm/ad_paper/draw/mag_katotatakau01.html
つなぎましたか?
なんとも直球なメッセージに衝撃が走ります。

そして第2弾↓
http://www.kincho.co.jp/cm/ad_paper/draw/mag_katotatakau02.html

さらに第3弾↓
http://www.kincho.co.jp/cm/ad_paper/draw/mag_katotatakau03.html
新聞=基本的には室内で、余暇のある時に読むもの。
その特製を利用して、ヒマなら、気になるなら、つないでみ? と。
確かに幼稚園の頃とかやりました。
そんな純粋な気持ちを逆手に取られ、そして出てくるメッセージがこれだったなら、
そりゃあSNS拡散もしたくなります。

ここまで計算し尽くされたアイデアに、最初見たときは思わず鳥肌が立ちました。
広告表現に関しても、常に斬新なものをと試行錯誤を繰り返した結果がこの形だったわけですね。
仕事には常にスピード感が求められ、納期は絶対に遅らせることができません。
しかしそれを理由に、ひとつひとつに対し妥協してしまうのは、単なる甘えだと思います。
短時間でも充分な試行錯誤を尽くせる方法論と回転数は、すぐに身につくものではありませんが、
身近にある色々なものからヒントを得たり、パンスールのアイデア豊かなスタッフ達と会話をすることで、
少しでも補って新しいものをつくることができればと思います。

大日本除虫菊株式会社のように、時代を超えて、世代を超えて愛される(そして進化し得る)ものをつくれるように、
日々精進して参ります!