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文字!

Penseur

2017.03.08

ぐっちゃん

どうも、ぐっちゃんです。
いつも、ブログでは、ミスチルやヨシヒコなどなど、あまり真面目な話はしない(僕は真面目なつもりです)ようにしているのですが、今日は気まぐれに、真面目な話でもしてみようかと、そんな気分になったわたしだよ。

デザイナーっていろんな知識があればあるほど、有利な職業だと思っているのですが、それでもやっぱり基礎は疎かにできないなと思う今日このごろ。その中でも僕が大事にしたいのは「文字」です。
文字って、そのカタチ一つでイメージが変わる、デザインの中でも最も大事な要素の一つだと思うんです。例えば「DESIGN YOUR STORY」という弊社のミッション。全く異なる3つの書体で組んでみました。

font

例はかなり極端ですが、イメージがぜんぜん違うのがお分かりいただけるかと思います。
上の書体は超ポップ。系統としては「可愛い」部類だと思います。少なくともかっこいい・おしゃれではないですよね。
真ん中の書体は、どうでしょう?品格を感じませんか?堂々と、ゆったり組まれた文字。格を感じさせる、書体ですよね。
下はどうでしょう?文字は太いですが、流行りのスタイリッシュさが感じられるかと思います。

では、なぜ、そう感じるのか。理由の一つとしては、町中で見かける同じ書体の用途があります。
真ん中の文字「Trajan」といって、高級感のある場所(ホテル・銀行などなど)で多く使われる書体です。
下の文字は「DIN」といい、これはかっこいい・クール系の広告などでよく使われています。文字がはっきりしており、視認性に優れていることから、時間やお金の表記でもよく見かけますね。
(一番上の文字、使われている場面を見たことがないです。。笑)

さらに一歩踏み込みます。
では、Trajanはなぜ、高級感のある場所・用途で使われるのか。それを知るには、文字の由来にまで遡らねばなりません。この文字、由来は古代ローマの「トラヤヌスの記念柱」という遺跡に刻まれた文字なのです。一つ一つのあまりの完成度の高さに魅了され、完成した文字、それが「Trajan」なのです。ね、それだけでなんか、品を感じませんか?笑

次にDIN。こちら元はドイツの工業製品の表記用に作られた文字で、名前も「ドイツ工業規格」の頭文字を取ったものです。これだけで視認性に優れている理由は想像がつきますよね。おまけにシンプルでデザインとの親和性も高く、使いやすい。だからこそ、爆発的にヒットしました。

と、まぁこんな風に、文字の由来まで遡っていくと、文字の選択一つにも説得力が生まれます。「かっこいいからこれにした」ではなく、「元はこういう用途で使われており、こんな場面で多く使用されるからこれが良いんです」と説明すると、なんか納得できます。

というわけで、僕はこんなふうに文字の由来にまで遡るのが地味に好き。
感覚で使うのと、意図をしっかり持って使うのとではぜんぜん違うのです。

ちょっと最後駆け足になりましたが、デザイナーである以上文字の勉強はしておきたいと思っています。そんな僕が愛読し、今でもたまに見るのがこちらの本!

「きれいな欧文書体とデザイン 名作書体の特色とロゴづくり」
著:甲谷 一

メジャーな書体の説明が、綺麗にまとめられていて、見てるだけでも楽しい、なおかつわかりやすい一冊。新人デザイナーさんにオススメの一冊です。
ほんとは他にも何冊かあるのですが、それはまた次回!

あ、そういえば、誰も告知してないので僕が言っちゃいます。
弊社の実績が、本に掲載されてます!

「パッと目を引く! タイトルまわりのデザイン表現」
リンクアップ (編集)/グラフィック社編集部 (編集)

ぜひ見てみてください!