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ねぎを刻む

Penseur

2018.09.19

maple

こんばんは、編集部のmapleです。
季節の変わり目の寒暖差に弱いです。弱っています。



常々思っていることがありまして。

どうも調子が良くないな。何をやっても前に進めんな。
そう思っているときは「自分のことを考えすぎ」なことが多いんですよね。
もっと上を目指したい~、もっとこんな風に生きたい~
みたいなのって、大切だけど、考えすぎると疲れますね。





江國香織は子どものころから好きな作家なんですけど
彼女の短編集「つめたいよるに」の中に「ねぎを刻む」というお話があります。

駅のホームに降り立った瞬間、ふと夜風に吹かれて
あっと思った時にはもう遅い。何か にがんじがらめになってしまう。
「ああ、今日はもうだめだ」と悟った主人公は、
家に帰るとめそめそと泣きながら、一生懸命ねぎを刻みはじめます。
すべてを刻み終えると、そのぜんぶをお味噌汁やお豆腐にドッサリかけて平らげてしまいます。

”明日になったらすっきりした顔で、何ごともなかったみたいに会社に行って見せる。”

そう言い聞かせてご飯を食べるというお話です。
自意識とか淋しさから逃れて、ニュートラルに戻る儀式なんでしょうね。
感動や驚きはありませんが、昔からなんとなく好きな話です。



私はねぎが嫌いなので、「菓子を作る」で代用します。
菓子作りって計量が全てだと思ってるんですけど
全ての素材を秤に乗せてキッチリ計ってるときは、他のことを考える余地ってない気がします。
それで手順通りに混ぜて、こねて、成型して、決められた温度で決められた時間焼く。

もっとお手軽なのは読書ですかね。映画とかアニメでも。
行き道、帰り道、寝る前くらいは
本の中やテレビの中の誰かの人生を疑似体験して
自分の人生から一時ログアウトするのがちょうどいいのかなーと思います。





どうも調子が良くないな。何をやっても前に進めんな。
と思ったりする秋の夜長、自分のことはそこそこにして
何かに没頭しましょう。本とか読みましょう。
自分に苦笑いするのは明日にして、とりあえず今日は寝ましょう。


なんだか散文になりました。
それでは、また!